2017年 10月 11日 ( 1 )

【だしばなし⑦】乾しいたけ

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 少し先の話ですが、1月になると必ず作るものがあります。
乾しいたけ・煎り大豆・人参・こんにゃくなどを昆布だしと乾しいたけの戻し汁で煮含めた常備菜のようなものです。
これを大量につくり、毎年、お正月用の野菜を準備してくれる生産者さんに差し入れる為です。

ささやかなものですが、新鮮な素材とうまみの相乗効果で喜んでいただいている一品です。

さて、今日は「しいたけ」をテーマにしたお話です。

 乾しいたけは、傘の開き具合によって「どんこ」と「こうしん」と呼ばれるものがあります。どちらも同じ菌から育つしいたけで味や香りは変わりません。

「どんこ」は寒い時期にゆっくりと生育し、傘が開ききる前の6分開き位に収穫して乾燥したもの。傘は肉厚で丸みを帯びています。

どんこの中でも傘に白い亀裂があり肉厚で形の整ったものは「花どんこ」と呼ばれ、しいたけの最高級品といわれています。

肉厚なので戻すのに時間がかかりますが、しっかりとした歯ごたえがあり、煮物、茶碗蒸し、お吸い物、鍋物、中華料理などに向いています。

 「こうしん」はどんこより少し傘が開き、7分から全開になったしいたけを乾燥させたもの。傘の肉が薄く全体的に平らな形をしており、ちらし寿司や炒め物などスライスにして使ったりすると便利です。早く戻せて火通りも良いので普段遣いに良いですね

 乾しいたけの原料となるしいたけの栽培方法には、「原木栽培」と「菌床栽培」があります。

「原木栽培」は、自然界でしいたけが生えるのと同じようなやり方で栽培する方法。

秋に伐採し乾燥させクヌギやコナラの樹木を一定の長さに切った「原木」に、しいたけ菌を植えて森林内に伏せ込みます。

自然環境の中で1年半から2年かけて原木内に菌糸を伸ばし「ほだ木」となり、主に秋に自然発生します。

夜間の最低気温が15℃以下の日が続く頃、低温刺激と結露によって自然発生が始まります。
自然の力を最大限に利用してしいたけができる栽培方法です。

 一方の「菌床栽培」は、おがくずにふすまや米ぬか・栄養剤など加えた培地に、しいたけ菌を植えてハウスなどの栽培施設の中で作られます。

栽培日数は3~5ヶ月。人工的に温度などコントロールした環境の中で季節に関係なく1年中収穫できます。

中国産の乾しいたけや、私たちが日常生活でお店で手にする生しいたけの多くは菌床栽培です。

ところで、乾しいたけは手に入れやすい乾物ですが、使い慣れないと面倒に思う方もいらっしゃいますね。戻し方はいたって簡単です。

5℃ほどの水で約3~5時間ほど冷蔵庫に入れておくだけなんですよ。

何故5℃の水温なのか・・

それは干ししいたけのうまみ成分グアニル酸がもっとも抽出される水温が5℃前後だからです。

 また、しいたけは、食物繊維やカルシウムの吸収率を高めるビタミンDも豊富なうえ、生しいたけを乾燥させることで生成される香り成分の「レンチオニン」をはじめ、からだの免疫力をあげる「レンチナン」・血圧を抑制する効果のある「エリダデニン」(水溶性)など含み、積極的に取り入れていきたい食材の一つです。

 戻し汁はうまみの宝庫なので捨てずに使いましょう。
スープや炊き込みご飯・中華おこわ・筑前煮・すきやきなど和洋中問わず使えて重宝します。胃腸が弱っている時に「しいたけ粥」にしても良いですね。

 しいたけの深い味わいと香りを日本人が古くから親しんで食してきました。
美味しさと健康を保つ食生活を軸に多くの方々にしいたけの魅力をお伝えしていこうと思います。






 

 

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by mikura-bito | 2017-10-11 04:46 | Trackback | Comments(0)