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【だしばなし⑥】煮干し

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昨夜は全国的にぐっと気温が下がって
体調崩された方もいらっしゃるのではないでしょうか?
体温まるものが恋しくなってくる季節になってきましたね。

さて、本日のテーマは
『煮干し』について(^^)
 
「煮干し」とは、魚介類を煮て干したものの総称で、水分18%以下のものとされています。煮干しの原料はカタクチイワシの他にマイワシ・ウルメイワシ・サバ・アジ・イカナゴ・トビウオ・エビなどがあります。

カタクチイワシの煮干しは、東日本では「煮干し」、西日本では「いりこ」と呼ばれており、成長段階によってチリメン(シラスともいう) カエリ 小羽 中羽 大羽と細かく区分されています。

 カタクチイワシに脂がのっていない時期を狙って煮干し加工用の漁は行われます。それでも内臓・頭などにそれなりの脂肪が存在し酸化しやすいのです。

だからこそ、煮干しの品質は、鮮度が決め手。漁獲から加工までのスピードと技術が鮮度保持の要となります。
その為、漁場と加工場は非常に近く、且つ、漁獲から加工まで一貫生産で
行われている所が多いようです。

 カタクチイワシの煮干しの製造工程の一例についてすこし触れてみましょう

 漁獲したカタクチイワシは、鮮度を保つ為に大量の海水氷を使い高速運搬船で自前の加工場に戻ります。
イワシは魚体が弱い為、船の中からホースで吸いあげ氷水で冷却しながら加工場まで運ばれます。

洗浄・選別後、すのこ状の平らな蒸籠の上に広げられ、蒸籠を何枚か重ねて95℃ほどの3%の塩水または海水で加熱します。
これを煮熟といいます。
この煮熟により蛋白質が固まり、うまみ成分が閉じこめられます。

 如何に鮮度の良いうちに漁獲から煮熟までの行程をスピーディにできるか!
鮮度維持の大きなポイントがここにあります。
加熱後は乾燥機または天日干しで水分が15%前後になるまで乾燥させます。

 ところで、カタクチイワシには背の部分が白く仕上がる白口と、背の部分が青く仕上がる青口があります。

白口は瀬戸内など浅い海に生息し、青口よりも甘味のあるだしがとれます。
瀬戸内の白口は上級品とされ、特に鱗のついた「銀つき」と呼ばれるものが最上級品として扱われています。
青口は千葉九十九里や山陰地方の深い海に生息し、濃いうまみのあるだしがとれます。

 良い煮干しは、まずは「色」が重要です。
色やツヤ・香りの良いことも大切です。

また、多くの煮干しは脂肪をそれなりに含む内臓や頭があるまま加熱され干されるため、酸化されやすく油焼けをおこします。
酸化によって黄褐色に変色した煮干しのだしは生臭みが強くでるので、消費スピードに合った量をこまめに購入し冷蔵庫や冷凍庫で保存してなるべく早く使い切ると良いですね。

 一方で煮干しの脂肪を構成しているEPA・DHAは酸化されずに体内に取り込まれると成人病予防に効果があります。
また、カルシウムやミネラルも豊富でイノシン酸といううまみ要素もかつお節の2倍含まれています。

わが家は、かつお節からとるだしが中心でしたが、実際に香川県伊吹島の加工場を見学してから利用する頻度も増えました!
食卓に積極的に取り入れていきたいものですね。

因みに、画像は香川県伊吹島加工場見学に行った時のものです。
 釜揚げしたてのカタクチイワシは
最高に美味しい💝

 

 

by mikura-bito | 2017-10-05 07:39 | The others